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フォロワーシップを磨き、チーム力を高める

人事

これまで、日本のビジネスシーンにおいて組織力、チーム力を高めるために重要視されてきたのは「リーダーシップ」でした。

リーダーシップとは、「組織の向かうべき方向や目標を定め、メンバーの一人ひとりの能力を引き出し、成果に導くことのできる力」のことです。

一方で、近年、リーダーシップの重要性とともに「フォロワーシップ」も大切な要素として注目されています。

今回は、フォロワーシップについて、フォロワーシップとリーダーシップの関係性、そして企業がどのように従業員のフォロワーシップを開発していけばよいのかをお伝えします。

 

「フォロワーシップ」とは?

フォロワーシップとは、「リーダーを自律的に支援し、組織に主体的に貢献すること」です。

リーダーの指示に従い業務を遂行するだけでなく、組織に働きかけたり、リーダーの意思決定や行動に誤りがあれば提言をしたり、自分で考え主体的に行動することを指します。日本が右肩上がりの高度経済成長期の時代であれば、リーダーの指示に従い業務を遂行するだけでも組織として機能していたかもしれません。

しかし、今はITの進化やグローバル化の進展などにより環境が常に変化をしており、リーダーの意思決定が必ずしも正しいとは限りません。
また、課長職のプレイイングマネージャー化が進んでおり、多くのリーダーは自身の業務遂行を行いながら、チームをリードしていかねばならない状況にあります。

このような中、組織力を向上させるには、リーダーシップだけではなくメンバー全員がフォロワーシップを発揮していく必要があります。

 

フォロワーシップとリーダーシップの関係性

フォロワーシップの提唱者である米国カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授の調査によると、組織が出す結果に対して「リーダー」が及ぼす影響力は10%~20%程度、対する「メンバー」が及ぼす影響力は80%~90%にものぼると言われています。

この調査結果を意外だと思われるかもしれませんが、フォロワーシップを発揮すべき人を思い浮かべてみれば納得するはずです。組織の中でフォロワーシップを発揮すべき人は、社長以下全従業員だからです。メンバーは課長に対して、課長は部長に対して、部長は役員に対して、役員は社長に対してフォロワーシップを発揮することが求められます。そう考えると、社長以下全員のフォロワーシップによって組織として結果が出せるということに納得がいくのではないでしょうか。

組織への影響力が大きいフォロワーシップですが、単独で影響力を発揮することはできず、リーダーシップとの関わりの中で影響力を発揮します。例えば、リーダーの役割の一つが「決定する」ことであるのに対し、メンバーの役割は「提言する」(健全な批判をする)ことです。

 

以下のように、フォロワーシップとリーダーシップの関係性をわかりやすくひとつの表にまとめてみました。

 

フォロワーシップのある組織は、リーダーが示したビジョンをメンバーが具体的な行動に落とし込み当事者として業務を遂行します。ビジョンや意思決定に誤りがあると感じた場合はリーダーに率直に提言を行います。それこそが組織に貢献することだとメンバーは理解しています。リーダーシップとフォロワーシップが相互に影響しあうことで、組織として一致団結して成果をあげることができるのです。

フォロワーシップのない組織は、リーダーが示したビジョンに納得していない場合であっても、リーダーが言うことだからとメンバーは受け身のままに業務を遂行します。また、ビジョンの方向性が誤っていたと後からわかった場合、全ての責任はリーダーにあると言って傍観者になります。このようにリーダーだけが孤立してしまった組織では成果をあげることが難しくなることは言うまでもありません。

 

フォロワーシップを発揮するためのポイント

それでは、フォロワーシップを発揮するためには、メンバーはどのようなことを意識すればいいのでしょうか。以下にフォロワーシップを発揮する上で代表的なポイントをまとめてみました。

 

① リーダーは完璧ではないことを理解する


産業構造の変化が著しい上に、多様な価値観が広がる現代において、リーダーが唯一無二の正解を見つけることは不可能に近いでしょう。また、誰からも不満がでない指示をすることも難しいものです。そのため、メンバーには意思決定権者であるリーダーの立場を理解する器量が求められます。

 

② リーダーからの指示を、自分で考え「納得」「理解」した上で業務を遂行する


メンバーは、組織としての決定を前向きに受け入れ、当事者として実現に向けて行動することが求められます。納得できないことはきちんと明確にした上で「リーダー」に伝え、解消に向けて提言を行う必要があります。

 

③ リーダーからの指示をチーム全体に浸透、波及させる


リーダーからの指示をメンバー1人が理解し実行していてもチームとしての成果は高まりません。多くのリーダーはプレイングマネージャーとして自身の業務遂行を行いながら指示を出しています。時には、チームメンバー全員に指示が行き渡っておらず、不満が出てくることもあるでしょう。そんな時は、メンバー側からリーダーに指示の背景にあるものや目的を確認し、チーム全体に浸透させる姿勢が大切です。

 

チーム力UPのために企業として取り組むべき課題とは?

ここまで読んでいただき、チーム力を高めるためには、リーダーシップだけではなくフォロワーシップも重要だということをご理解いただけたかと思います。

多くの企業では、リーダーシップに関する研修を実施したことがあるかと思います。しかし、フォロワーシップに関する研修を実施したことがある企業はまだまだ少ないのが現状です。

リーダーシップ研修を行ったものの、「成果に結びついているかがわからない」、「研修前と後でチームの行動が変わったように感じられない」といった課題を感じる場合、その原因はリードされる側のメンバーのフォロワーシップが足りないからかもしれません。そんな時は、中間管理層向けのリーダーシップ研修を行うと同時に、メンバー向けのフォロワーシップ研修への投資をしてみることをお勧めします。

リーダーシップだけ、もしくはフォロワーシップだけでは、チーム力を高めることはできません。リーダーシップとフォロワーシップ両方が、相互に影響しあいながらバランスよく発揮される事で組織全体の生産性向上が期待できます。

リーダーシップを磨くだけではなく、フォロワーシップも磨き、チーム力を高めていきましょう。

 


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