『働く×旅~タイの現地調査を通した旅人のリアル』をテーマにした旅部1周年記念講演を前にして、法政大学大学院政策創造研究科教授、須藤廣氏にスペシャルインタビューをおこないました。
法政大学の石山先生とは同大教授同士、また飲み仲間で「旅とキャリア」は通じる点があるとも考えていらっしゃるそうです。当日お話いただく内容や先生が思う旅の哲学について、お話を伺いました。
須藤廣氏のプロフィール
社会学者。法政大学大学院政策創造研究科教授。北九州市立大学文学部名誉教授。専門は社会学。観光社会学、文化社会学等。
主にアジア各国や日本国内に自ら足を運び、フィールドワークを通して現地の実情を捉え、国境を越えた移動が現代社会にも何をもたらすのか。大きな視点から観光現象を観察。
北九州と飲み会をこよなく愛する生涯現役バックパッカー。
学問に対する真剣なまなざしと実績、その優しく気さくな語り口と親身な指導で学生からの信頼も厚い。
-先生が旅をする際に大切にしていらっしゃることをぜひ教えてください。
旅先では、街歩きをします。有名なところや観光地にも、もちろん行きますし。自分の目で見たり、肌で感じたりすることを大事にしています。
旅をしていると共感する場所が欲しくなりますよ。一人旅でもどこかで共感を求めています。
旅の在り方を探ると生き方の在り方にぶつかります。生き方そのものですね。
旅を名詞でなく、動詞でとらえること。旅はするものだ!が、私の旅の哲学です。
-「旅の在り方を探ると生き方の在り方にぶつかる」
まさにキャリア=生き方そのものに関連する考え方ですね。
「旅の在り方と生き方」それぞれどのように進んでいくのか。また生き方そのものにはもちろん「働く」ということも含まれますし、自分の人生の中で旅がどのような位置を占めているのか、働くこととの関係はどのような意味を持つのか、または持たないのか、非常に興味深いですね。
2月4日(土)10:00~【 はたらく × 旅 】 をテーマにご講演をいただきます。
-キャリコンサロン旅部から講演の話があった際、率直にどう思われましたか?また講演内容についてはどのように決められたのでしょうか。
面白そうだな!ですね。また、テーマが「旅×キャリア」に関することであったので、キャリア=働くことと結び付け、「働くことと旅すること」では如何か?と提案をしました。
また、9月にタイのバックパッカーの聖地、カオサンロードで、日本人バックパッカーがなぜ今この時期にあえて旅をするのか、何を求めて旅に出たのかなど、現地調査をしましたので、その調査結果も踏まえてお話できたらと思います。
-実際に訪れてみていかがでしたか?
日本人旅行者自体がほぼおらず、インタビューできた対象者も数名でした。フライトチケットを入手した時はまだ検査結果によっては帰国不可や隔離の可能性があったのでリスクが高かったともいえます。コロナ禍が旅をすることに関し、様々な影響を及ぼしているのを実感しました。
-タイではどのような調査をされたのですか?
タイへの個人旅行対象者に、旅の体験が人生に及ぼす影響やバックパック旅行についての印象等インタビューとアンケート調査を実施しました。結果はタイプ別に分類し、日常の世界と旅行者としての世界をどう生きているのか、アイデンティティはどこにあるのか、ある種の現実逃避といえるのか等、考察を深め、仮説を立てています。
「旅の深さ」による日常と非日常の境目は。自分自身はどこにいるのか。旅(バックパッカーを主とする)と観光に違いはあるのか。も含めてですね。
-講演を拝聴するのが楽しみです。旅、観光と表現方法は違いますがそれぞれにどのようなイメージ、または考えをお持ちでしょうか。
旅(バックパッカーを主として)と観光(商業主義)は、実は近しく、特別に分けて考えなくても良いのではないでしょうか。
観光とはまさに商業主義といえますが、例えばバックパッカーであっても、(昔は)地球の歩き方をもとに歩いたり観光したりしていました。旅であっても商業主義がスタートだといえる点もあると考えています。
結局ステレオタイプの旅行でも、旅でも観光でも不確定、不確実性があり、実際はその濃淡の違いだけ。不確実性と予定調和とのバランスや境界線にあるものをどう選ぶのか。だと思います。
ただ、その中でも一番不確実性に満ち溢れているのがバックパッカーではありますね。
観光のイメージがあって、実際に体験したり目にしたりした時のギャップにも面白さがありますよね。表があるから裏がある。観光というものの裏に、本当のものがあるのではないかと思うのが旅なのだと。
「旅に魅せられる」とはつまり、不確実性やリアルを追い求めることなのかも知れません。
-観光も旅も商業主義ではあるし確かにスタート地点は同じなのかもしれないですね。不確実性の濃淡や表と裏。不確実性に満ち溢れた旅をするバックパッカー。まさにその通りだと感じました。実際多くの国を訪問されている須藤先生ですが、次に行ってみたい場所はどこですか?
これまで100ヶ国以上訪れていますが、次は南米に行きたいですね。身近なところだと、日本国内。東京でも行ったことのない場所がいくつもあります。
旅は遠くでなければいけないわけではないですし、以外と近くにもあるのですよ。青い鳥現象ですね(笑)
-須藤先生、インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!
当日の講演会では、よりリアルな現地調査の結果も含めお届けする予定です。みなさまそれぞれにとって、旅とキャリアの関連性、共通点等、興味をもっていただく一つのきっかけとなれたら嬉しいです。
(インタビュアー:旅部運営メンバー)
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