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【九州支部】出所者・出院者の自立更生に向けた教育支援~意味づけの意義とその教え方~

一般参加OKエリア支部活動

 

日時/開催場所

2023年3月15 日(水) 19:30~21:00 @Zoomオンライン

 

参加者数

25名

 

講師/ファシリテーター

一般社団法人ヒューマンハーバーそんとく塾常務理事兼そんとく塾塾長 原田 公裕氏
株式会社IRODORI 江崎 智代氏
キャリコンサロン九州支部 塚田 亜弓氏

 

プログラム

「意味づけの意義とその教え方」ではなく「その”育て方”」と題してお話をいただきました。原田さんたちの取組みは加害者支援ではなく、「新たな被害者を生み出さないための仕組みづくり」であるとまず始めに目的を述べられ、講演はスタートしました。

■罪を犯す人、非行に走る人
対象者の環境や性格からの分類も、実体験に基づき事例豊富に話されるのでイメージが湧きやすく理解が進みます。

「本当に意味が分かっているのかな?」で終わらず、「本気で学ぼう」となるように仕掛けを作り継続的に関わることを実施されています。ここにたどり着くまでは「何かを変えていかないと」と環境を変えたり学びを工夫したりされていたが、「できるようになる人はできるが、できない人はできなかった」という言葉から、紆余曲折を感じました。
そして、「学びが間違っていたら、自分に置き換えて変換させられないのではないか」との仮説にたどり着きます。

「意味づけの重要性」に気づき、自ら意味づけできる力が圧倒的に不足している事が原因として、自ら発見し気づく力を育てる教育『心のスポンジづくりプログラム』を通して関わり再犯ゼロの結果を出しています。

■心のスポンジづくりプログラム~自ら発見し気づく力を育てる教育とは~
仕事で指示されたことに対し「分かりました」だけの理解では失敗する。指示に説明を加えても相手が「分かりました」だけの反応では多くが失敗する。「分かりました」の他に「〇〇はどうしますか?」や「次は〇〇ですか?」などの言葉が出てくるほど解釈できていると成功し、さらに仕事の効率も良くなる。
こうなるにはどのように思考の形を変えれば良いのか?
これを育てるのが「心のスポンジプログラムによる教育」であり、心のブレーキを踏むことができるようになることで再犯を防いでいる仕組みなのです。さらに、多様な選択肢を持てるようになれば、よりよい選択をしながら行動ができるようになり、社会生活が持続・向上している事例をお話くださいました。

■言葉のバブル
具体的な『言葉のバブル』という教材についても説明いただきました。喜びや怒りの言葉を言葉のバブルをイメージしたフレームワークで自分の解釈と他人の解釈の違いを確認していきます。特に「怒り」は重要として取り組んでいるそうです。

 

質疑応答

・「罪を犯す人の環境に特徴があるか」との質問に対し、原田さんのお答えで意外と思ったのは「自己肯定感とは関係がない」との言葉でした。お金に執着がある。バカにされたくない感情が強い。などに特徴があり、貧富もあまり関係ないとのご意見でした。

その他に
・就職先に建設業が多いのはなぜか?
・どんな人でも思考は変えられるのか?どのくらいの期間で変わるのか?
などの質問が出ました。

 

運営担当より

【株式会社IRODORI 江崎 智代氏】
”伝えても「できる人」と「できない人」がいる。”これは誰しもが経験のある事ではないでしょうか?その原因を思考の形を変えていくことに焦点をあて、仕掛けをつくり意味づけをしていくことで社会生活の質向上に導く手法は、たくさんの取組みと振り返りと目的に向かう気持ちから今に至ったことが伝わりました。
原田さんの言葉は、どれも実体験に基づく自分の言葉で、強くそして温かく、聞く人が「やり方はある!」と希望が湧くお話でした。講演後の質問は5件あり、どれもが興味深く参加したから出た質問内容で、原田さんの答え一つ一つが頷くものばかりでした。
今回は出所のリアルな部分からプログラムの実績まで通した構成でしたが、プログラムの内容は広く社員研修や日常のコミュニケーションに活用できる内容なので、「困っている社員への対応方法」「楽して生きたい仲間に対する関わり方」などテーマを身近にして継続的に講座をお願いしたいと考えています。皆さんもお楽しみに!

【キャリコンサロン九州支部 塚田 亜弓氏】
「出所者・出院者の自立更生に向けた教育支援」というテーマに対して、保護司など現在キャリア支援現場に関わっている方、またはこれから関わろうと考えている方に多くご参加いただきました。一方で、本日の原田さんのお話は、組織内におけるキャリア支援のアプローチにおいても応用できる点があったように感じました。
具体的には、

①「悪を善だと思っている」人に対し、「間違ったことだ」という意味付けをしていくことが大切であること。

② 学ぶ前に学ぶ力、学ぼうとする力を付けることが大切であること。組織内において成果の出し方を教える前に、なぜ、そうしないといけないかの哲学を教えることが大事なのではないか。

 

今後もキャリア支援の現場第一線で活躍されている方より、広く学びを続けていきたいです。

 


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