キャリアコンサルタントコミュニティ 

キャリコンサロン

【子育て支援部】子育てと介護のダブルケア

サロンメンバー限定子育て支援部キャリコン勉強会

 

日時/開催場所

2024年9月14日(土)10:00~11:30 オンライン(ZOOM)

 

参加者数

キャリコンサロンメンバー:11名
ゲストスピーカー:一般社団法人ダブルケアサポート 代表理事 東恵子さん

 

プログラム

 

【当日の内容(一部抜粋)】

■参加者自己紹介

「名前、居住地、キャリコン活動内容」など1人ずつ自己紹介。
神戸、大阪、京都、広島、東京、北海道など全国各地から、初参加やリピーターの方々の参加。以下のどちらかのステータスに該当しており、介護に関する情報の収集が主な参加の目的。

①  過去に自身と家族に介護経験がある又は現在家族を介護中

②  企業又は行政内もしくはキャリコンの活動の中で支援中

 

■講義「子育てと介護のダブルケア」

〇ダブルケアの概念・定義について

 ・2012年に介護と育児を同時進行する『ダブルケア』という概念が生まれ、横浜市内で調査が開始される。

 ・当初は介護と育児という狭義の定義であったが、現在はヤングケアラー問題なども総合的に含み、複数のケア関係におけるケア担当、負担、ニーズの複合化の実態を『ダブルケア』の広義としている。

〇ダブルケアを取り巻く社会的構造
 社会的構造の変化により、以下の4点がダブルケアへ影響を及ぼしている。
① 晩婚と出産年齢の高齢化、医療の発達による介護の長期化
② 非正規社員とニートの増加、女性の就業率増加、男性の長時間労働
③ 地域ネットワークの減少および縮小、核家族と兄弟の減少
④ 年金や介護制度の削減と不足
ケア側1人への役割集中と孤立により、身心および経済的な負担が増えているという課題が見て取れる。

 

〇ダブルケアの実態
 【調査・研究】
周囲に相談できていない、利用者が支援までたどり着けていない。
・政府の定義⇒実際の介護業務のみ(実際は手続き、安否確認など日常の事務、管理、精神的なケアの負担も大きい)
・仕事と両立⇒両立できずに離職に繋がる、男性は休業しにくい
・調査の結果⇒人に言わない、相談場所がわからない又は行く暇がない
・行政が縦割⇒子育てと介護を横断したサービスが受けられない

【問題】
 ・シングルケアと同じと考えてしまう
 ・生活困窮世帯の増大
 ・女性が主体で担う、反面男性が担う場合は孤立しやすい
 ・子ども世代へのしわ寄せ(進学などの金銭的問題、将来不安)
 ・介護があるので子どもを産むのを諦める
 ・ダブルケアを横断した制度がなく、社会的資源の活用が非効率

【支援】
周囲の人の気付きを促す、相談と助けを求めること、ケアの分担と共有が当たり前となることを目指す。
 ・ダブルケアの当事者が参加できるカフェの開設
 ・FaceBookを利用したネットワーク構築
 ・ピアサポーター養成講座(京都府などで実施)

 

■質疑応答
企業で介護支援を行う場合どのようなことができる?
 ⇒市区町村ごとに介護制度が違い、市区町村を縦断するスーパーバイザー的な立場が存在しないのが難しい点
相談できる場所があること、話を聞くことが助けになる

 

■グループディスカッションと意見交換
 ・マネージメントをする存在、情報やニーズなど交通整理する立場として対人支援が活躍できる領域と感じた
 ・子育てと違い介護は予定が立てられない、事前に知識の共有が役立つ
 ・介護や育児は個人の事情なため立ち入るのに躊躇するが、企業の個別事情への考慮があっても良いと感じた

 

参加者の声(一部抜粋)

・育児、高齢者の介護だけでなく、様々な背景があること、全てがケアで、個別事情にどのように対応していくことの大切さを改めて勉強させて頂きました。社内で広げて行きたいです。

・共感というものがもはや効かない現実を前にした時にわたしたち対人支援者が何ができるのかということを考える時間になりました。あり方を含め、何から支援していくかヒントをいただけて感謝しております。対人支援者側も孤立しないように支援者は支援者としてネットワークを持つことはある意味義務ですね。啓発活動について興味を持ちました。情報収集をして、積極的にダブルケアの情報を私自身、お客様に発信できるようになろうと思います。

・ダブルケアをそもそも知らなかった。また最近看護に特化した人材派遣会社に転職したので勉強になった面も多くあります。恐らく今日の参加者で唯一の平成生まれだったと思いますが、自分の年齢でもダブルケアは他人事ではないと思いました。

・wケアの方の行政サポートが縦割りであることは課題を感じました。自分の地域の実情、サービスも確認していきたいと思います。この問題に対して、当人として、地域住民として、キャリコンとして、どう関わっていくかを考え実行していきたいと思います。

・誰にも気付かれず相談できず、1人で頑張っている人が私の周囲にもいるかもしれないと気付き、これまでより一層身近に感じました。介護は程度の定義や証明が難しいこと、行政の窓口が縦割りで使いづらいこと、職場では男性の方が理解されにくいこと、、、などなど、気付きや学びの多い時間でした。ありがとうございました。人に言えず抱え込んでいる人がいないか、地域活動の際にアンテナを張っていこうと思います。話を聴いて差し上げることが第一歩。そして、相談窓口や支援制度などの情報を常にアップデートし、必要としている人に必要な情報を届けたり適切なところに繋いだり出来るようになりたいと思います。

 

運営担当者より

・日頃から従業員への育児と介護の支援を行う身としては、社会構造的な視点からの隠れた問題への認識の甘さを痛感し、実務の中で十分な聞き取りができていない可能性に気付きました。講義後の意見交換の際に「個別事情として線を引かずに考慮する」という言葉がとても考えさせられました。行政の縦割りや市区町村横断という制度面の課題もですが、両立支援の現場でどこまで寄り添えるかを大切にしながら、まずはダブルケアについての情報発信を積極的に進めていこうと思います。

・私自身がダブルケア経験者で、子育てと介護を同時にするのは本当に大変でした。そのこともあり、今回の勉強会を企画しましたところ、たくさんの方に参加いただけてよかったです。
当時はどこに相談していいかわからず困りました。ダブルケア状態になると悩みも複雑化し、相談先や関係先も複数になります。それに、子どもを連れていろんなところと関わるのは心身の負担が大きいため、寄り添い伴走する専門職にキャリアコンサルタントがなれれば心強い存在ではないかと思っています。

・ダブルケアはある日突然やってきて、問題や課題も100人いたら100通りあり、個別性の高いサポートが求められるということがわかりました。すなわち支援者側の知識や視野の広さが必要になるため、事例検討をしたり、実情を知っていくことから始めたいと思いました。今後さらに増えていく問題だと危機感を感じられ、有意義な会になりました。講師の方、参加された皆さんに感謝しています。

・ダブルケアの大変さと深刻さがもっと多くの方に知ってもらいたいと思う内容でした。
反面、家庭や地域で異なる事情のため、なかなか外部に相談しにくい内容であることも理解しました。キャリコンとして、安心して話しができるようにかかわり、精神的な不安を取り除き、整理する、情報をお伝えできるようにすることが大事だと感じました。

 

キャリコンサロン公式LINE
https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=894zqnql

 


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