７月度のキャリコン事例勉強会を、7月20日@代々木オフィスにて開催しました。
今回のメインテーマは、【ノーマライゼーションに対する理解促進】です。
１）ノーマライゼーションの意味を知る
２）障害者雇用の現状を理解する
３）障害者雇用の有効性を考える
上記３つを勉強会の目的と位置づけ、「障害がある人も、障害がない人も、ともに元気に楽しく働く社会の実現」を掲げ、国際ノーマライゼーション推進協会を設立された、キャリアコンサルタント仲間の成美詩音さんにファシリテートをお願いしました。
まず、はじめに、
ノーマライゼーションって何？
1960年代に北欧諸国から始まった社会福祉をめぐる社会理念の一つで、障害者も健常者と同様の生活ができる様に支援すべき、という考え方です。そこから発展して、障害者と健常者とはお互いが特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが正常なことであり、本来の望ましい姿であるとする考え方としても使われることがあります。また、それに向けた運動や施策なども含まれます。
■障害者とは？
障害者基本法（昭和45年法律第84号）
第二条 この法律において「障害者」とは、身体障害、知的障害又は精神障害があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。
障害者雇用の現状とは？
日本の労働力人口は急速に低下しており、国は女性活躍推進や高齢者の有業率アップ等に力を入れています。しかしながら、それでも労働力人口は足りておらず、障害者雇用の促進に着手する企業が増えてきています。
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従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。（障害者雇用促進法43条第1項）
民間企業の法定雇用率は2.2%です。従業員を45.5人以上雇用している企業は、障害者を１人以上雇用しなければなりません。
■障害者雇用納付金と調整金
障害者雇用率（2.2%）未達成の事業主は、法定雇用障害者数に不足する障害者数に応じて1人につき、月額50,000円の障害者雇用納付金を納付しなければならないこととされています。
一方で、常時雇用している労働者数が100人を超える事業主で障害者雇用率（2.2%）を超えて障害者を雇用している場合は、その超えて雇用している障害者数に応じて1人につき月額27,000円の障害者雇用調整金が支給されます。
■障害者雇用に取組む事業主への支援制度
障害者初回雇用奨励金／障害者トライアル雇用奨励金／特定就職困難者雇用開発助成金
障害者職場定着支援奨励金／訪問型職場適応援助促進助成金 など様々あります。
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障害者雇用制度にて、障害者に対する差別の禁止。合理的配慮の提供義務。が定められています。
Q. 障害者を受け入れるときに取るべき、“合理的配慮”の具体例とは？
- 採用試験の問題用紙を点訳、音訳すること等
- 車椅子を利用する方に合わせて、机や作業台の高さを調整すること
- 口頭だけではなく、わかりやすい文書・絵図を用いて説明すること
- 筆談ができるようにすること
- 通勤ラッシュを避けるため勤務時間を変更すること
実際には、勤務時間中は問題なくとも、自由時間となる休憩時間をしんどいと感じる障害者も多くいます。フレックスタイム導入や昼食時間を挟まないシフト編成等、休憩時間への配慮が長期就業のカギとなるようです。
Q. 企業の雇用実態とは？
神奈川県障害者就労相談センターの障害者雇用に関するアンケートによれば、障害種別は、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害の順番に、雇用ニーズがあるそうです。
成美さんによると、障害者（特に精神障害者）は緊張を感じやすく、疲れやすい方が多いため、当初は少ない労働時間から始め、徐々に増やしていくことで長期就労が可能になります。賃金形態は時給が多く、最低賃金985円（東京都）にて働いている方が多いのが実態です。
Q. どんな仕事を任せたらいいのでしょうか？
IT業界 ：システムエンジニア、PC入力、事務
医療業界：医療事務、ベッドメイキング、清掃
食品業界：調理補助、洋菓子製造、パン製造
成美さんのお考えは、「重要度が高い × 緊急度が低い」業務を担当してもらうことを推奨されているようです。協会で取り扱った事例を複数共有いただき、意見交換をして終了しました。
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